あみたろの想い
声素材サイトを作るにいたった経緯や、どんな想いで運営を続けているのかなど、1997年から続く無料声素材屋さんとしての想いを言葉にしてみました。
声遊びに救われた子供時代
幼稚園の頃から、声を録音して遊ぶのが大好きな子供でした。
おばあちゃんがくれたレコーダーに向かって、いろんな声で絵本を読んだり、折り紙の折り方を説明したり、幼稚園で習った歌を歌ったり。そうやってラジオ番組のようなものを作るのが、何年ものあいだ日課になっていました。
教育方針の厳しい家に育ったあみたろは、子供らしい娯楽に縁がありませんでした。叔母のおさがりのおもちゃや漫画には馴染めなかったし、ゲームやテレビもわからなくて友達との会話にもついていけず、とにかく息苦しく感じていました。
でも、おばあちゃんのレコーダーに向かっている時間だけは、楽しくて仕方がありませんでした。
大きくなっても、レコーダーが友達でした。
ピアノで弾いた曲を左のレコーダーで再生しつつ、別パートを弾きながら右のレコーダーで録音……を繰り返して八重奏を録音して遊んだり。サンタさんがくれたゲーム(!)のセリフをノートに書き出して、一人何役も演じて録音したり。
自分が使えるテレビがなかったので、ようやくゲームを手に入れても、相変わらず声遊びばかりしていました。
イメージ通りの声で、聴きとりやすい発音で、シーンに合わせたテンポや感情で……と、何度も何度も録音しなおす遊びに、時間を忘れて没頭しました。
インターネットの世界で
そんなあみたろがネット環境を手に入れて真っ先にみつけたのが、同人ゲームの声優募集記事。
そこからはもう、夢中でした。
学校から帰るなり毎日毎日ゲームのキャラを演じて、独学でhtmlを勉強してホームページを作って、サンプルボイスや出演作品リストを更新しながら、また新しい声優募集記事をみつけてはオーディションに挑んで。
当時はネットで声の活動をしている人がほとんどいなくて、男性中心の同人ゲームの世界で少女ボイスはすごく需要があったので、貴重な体験をたくさんさせていただきました。
なけなしのお小遣いを音声ファイルの入ったMDディスクの郵送費に費やし続けた日々は、今でもあみたろの宝物です。
声の提供から、声素材専門サイトへ
声の提供を始めた頃は、本当に未熟な子供でした。いっぱい失敗もしたし、いっぱい失礼な言動もしてしまいました。
当時の音声は今聞くとノイズもひどくて、早口で聴きとりづらくて……。でも、そんな未熟者でもたくさんの人の力をお借りしていろんな経験をさせていただけたからこそ、今があります。
学生生活は最後まで息苦しかったけれど、声の活動やそこで知り合った人たちとの繋がりに救われていました。好きなことがあるって、のめりこめるって、本当にすごいことだとあみたろは思います。
だから、今度は自分がそのパーツのひとつになりたい。今度は自分が若いクリエイターさんの一助になりたい。もっと気軽に、初めてゲームを作る人でも声つきの作品を作って楽しめるようにしたい。
そんな想いから、1997年のホームページ開設当初から公開していた無料声素材を、活動の中心にしました。
あみたろの声素材工房のこれから
誰でも気軽に声入りの作品を作れるように、趣味にお金をかけられない学生さんでも声入りの作品を作る楽しさを味わえるように。
コツコツと声素材を作り続けて、セリフ数も3000点を超えた今、その夢はそれなりに叶えられたような気がしています。
でも、時代の流れは速いです。高品質なパートボイスゲームを無料で作れる声素材屋さんを目指しているうちに、世の中はフルボイス作品が当たり前になりました。
だから今度は、フルボイス作品も無料で作れるようにします。
ひとまずは、COEIROINK・SHAREVOX・RVC・TALQu・しぐたろいどなどの、無料で使えるAI音声合成モデルを充実させていきます。
聴き取りやすい読み上げから始めて、喜怒哀楽、たくさんの感情をAI音声合成で表現できるように。
と同時に、音声合成では再現しにくい、悲鳴や息をのむ音、食べ物を食べる音などを、セリフ素材として充実させていきます。
また、オリジナルキャラクター・小春音アミももっと大きく育てて、歌わせたりしゃべらせたり、みなさんの創作に気軽に楽しく使っていただけるようにしたいです。
これからも、声素材屋さんを始めた頃からの目標「趣味にお金をかけられない学生さんにも、声入りの作品を作る楽しさを」を追い続けていきます。どうぞあたたかく見守っていただけたら嬉しいです。
あみたろの想いを語る配信アーカイブ
ライブ配信1周年記念のアーカイブ動画で、あみたろの想いをたくさん語りました。よろしければラジオがわりにでも。
YouTube概要欄のタイムスタンプから、見たいところだけ見ることもできます。